海辺の鍛治町
○出雲鉄山と安来(島根県)
伯州鉄山に対して日野川をはさんだ西側には、いわゆる出雲鉄山が広がっている。
最近、技術保存や研究のためにタタラ吹き(砂鉄精錬)がこの地に再現されて関心を集めている。
ここで作られた鉄は広瀬町などを通って安来の港に集められ、そこから西回り廻船に載せられて、大阪の鉄座や東日本の港まではこばれた。
今日、安来には「和鋼記念館」があって、製鉄史料を一般に公開している。
今ではロートアイアンを作る鍛冶屋もあるようだ。
○靹の釘・碇と農鍛冶(広島県)
瀬戸内海は塩飽諸島をはじめとして造船がさかんであったから、それに用いる舟釘・碇を必要とした。
靹はこの釘作り、碇作りで知られているが、それ以外に、島々の農民が用いる鍬の先掛けを行う農鍛冶も少なくなかった。
両者は一体となって鍛冶集団を作っていたが、どちらも取り扱うというのではなく、碇鍛冶、農鍛冶、釘鍛冶と区分されていた。